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読書:「会社をつくれば自由になれる~中年起業という提案~」_竹田茂(著)

この本のポイント

  1. 起業するなら体力×知力がピークの42歳がいい
  2. 会社をつくればすべて自分の裁量でものごとを決められる=自由になれる
  3. しかし、中年起業は安全第一で「負けない起業」をすべき

感想

この本では起業するには42~52歳が良い。と言われておりますが、個人的には、あえてその年齢を待つのではなく、もっと早いうちに起業をしても良いのでは?(失敗によるやり直しがきく、起業のジャンル特にIT関連は移り変わりが早くカスタマー目線とズレる・・などの理由で)とは思っています。

ただ、本書は起業をハードルの高いものではなく、リスクなく、かつ社内の出世競争よりも難易度が低いものであることをわかりやすく書いてくれており、何よりも起業を”楽しい”ものとして説明いただいているため、読者の背中を押してくれるようで前向きな気持ちになる一冊でした。また、具体的な心構えや動き方も詳しく記載あり、行動に活かせるとても学びのある内容でした。

特に刺さった部分を紹介します。

中年の起業とは(以下、引用・抜粋)

  • 大企業での出世ゲームにおける成功は、自分の会社を作ってそこそこ食える状態を作るゲームより遥かに難しい
  • 出世を諦めたドロップアウト組が起業しているのであり、零細企業の社長はほぼ全員が、社会人としての模倣的な振る舞いが苦手な落ちこぼれだと考えて良い
  • 起業は”出世ゲームからの逃避行”にすぎない
  • “出世も諦めたが起業もしない”という状態が深刻な問題の先送りであり最も危険な状態である

ストレスを帳消しにする、経営の”楽しさ”の正体(以下、引用・抜粋)

  • 10年以上会社を経験していれば、背中に冷たい汗が流れる状態を経験することもある。しかし、にもかかわらず、それらのデメリットをすべて帳消しにしてしまうような”楽しさ”が経験者を癒してくれる。
  • この楽しさの正体を解きほぐしていくと「自分の裁量権で(事業を)勝手にバージョンアップできる」ということに突き当たる。新しいことをやってみたい時に、誰かに遠慮する必要はないということでもある。

経営者はプロデューサーである(以下、引用・抜粋)

  • 帳簿上に「外注費」が多くなるのが経営者、それがほとんどないのがフリーエージェントだ。一般にフリーエージェントは自分自身に内在している技能自体が商材だ。
  • フリーエージェントは「何をやりたいか」を問われない。周囲は「何ができる人なのか」にしか関心がないからだ。
  • フリーエージェントがほとんど行うことがなく、経営者にとってはむしろそれが仕事の大半になるものは何か。言わずもがなであるが「営業」である。ここで言う「営業」は「プロデュース」とも言い換えられる。
  • プロデューサーはごく簡単に言うと、「回収責任者」と定義できる。ある期間に行われた投資に対してきちんと利益を回収するために、配下にいるスタッフ全てをディレクションし、全ての雑務を引き受ける営業マンがプロデューサーである。
  • 長期間にわたって培われた人脈が原材料になるはずなので新人には無理で、胸を張ってプロデューサーを自認できるようになるのは、早くても40代になってからだろう。
  • 中年起業の場合は、小さなプロジェクトをたくさん回して、小さな利益を積み重ねるスタイルを推奨する。その小さなプロジェクト一つひとつが「大した理由はないけど俺がやってみたいと思ったもの」だから楽しいし、失敗しても後悔しない(反省はするけどね)